「探偵事務所に見積もりを取ったら、A社は1時間1万円、B社は3日間パックで30万円、C社は成功報酬型で着手金ゼロ——結局どれが得なのか分からない」。これは、浮気調査を検討する方が最も多く抱える疑問です。
この記事では、探偵事務所の3つの主要な料金体系(時間制・パック制・成功報酬制)について、仕組み・費用相場・メリットとデメリットを比較します。「自分のケースにはどの料金体系が合うのか」を判断するための具体的な基準を提示します。
この記事でわかること: 3つの料金体系の仕組みと費用相場、それぞれのメリット・デメリット、ケース別の最適な料金体系の選び方、そして見積もり時に確認すべきチェックポイントを解説します。
探偵の料金体系は大きく3種類
探偵事務所の浮気調査の料金体系は、大きく分けて時間制(時間料金型)、パック制(定額型)、成功報酬制の3つです。同じ調査内容でも、どの料金体系を選ぶかで最終的な支払額が大きく変わります。
重要なのは、「どの料金体系が一番安い」という正解はないということです。あなたの状況——浮気の確信度、事前情報の量、調査にかけられる予算——によって、最もコストパフォーマンスの良い選択肢は変わります。
以下、それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
時間制(時間料金型)の仕組みと相場
時間制とは
調査員1名あたりの1時間単価が設定されており、実際の稼働時間に応じて料金が発生する方式です。最もシンプルで分かりやすい料金体系と言えます。
費用相場
調査員1名あたり1時間7,500円〜12,000円が一般的です。浮気調査では通常2名体制で行われるため、実質的な1時間あたりの費用は15,000円〜24,000円になります。
ただし、実際の単価は事務所によって大きな開きがあります。たとえばHAL探偵社は1時間7,000円の固定単価、総合探偵社TSは5,500円〜、ALG探偵社は6,600円〜と比較的安価です。一方、原一探偵事務所は12,000円〜、MR探偵社は1案件20,000〜50,000円と高めの設定です。同じ時間制でも事務所によって単価が倍以上異なるため、必ず複数社の見積もりを取って比較することが重要です。見積もりを取る際の具体的な確認項目と正しい比較方法は浮気調査の見積もり比較|費用で失敗しない5つのコツで解説しています。
たとえば、調査員2名で6時間の尾行調査を行った場合の計算は以下のとおりです。
- 調査員単価:10,000円/時間×2名=20,000円/時間
- 6時間の調査:20,000円×6時間=120,000円
- これに交通費・車両費などの経費が加算される
この計算を一般化すると、浮気調査の総費用は C = P × N × H + E で表せます。Pは調査員1名あたりの時間単価、Nは投入人数(通常2〜3名)、Hは総調査時間、Eは実費経費です。たとえば対象者の警戒度が高くホテルの出入り口が複数ある場合はN=3が必要ですが、通常の尾行ならN=2で十分です。この構造を理解しておけば、見積もりの妥当性を自分で検証できます。
メリット
必要な分だけ支払えるのが最大の利点です。事前に「怪しい曜日と時間帯」が分かっている場合、ピンポイントで短時間の調査を依頼できるため、無駄な費用が発生しません。
1回の調査で証拠が取れれば、3つの料金体系の中で最も安く済む可能性があります。依頼前に行動パターンを記録しておくことで、時間制のメリットを最大化できます。
デメリット
調査が長引くほど費用が膨らむリスクがあります。対象者が予想外の行動を取った場合や、尾行が長距離移動に発展した場合、当初の見積もりを大幅に超えることがあります。
また、経費(交通費、高速代、宿泊費、車両費など)が別途請求されるケースが多く、「時間料金は安いが経費込みで高額になった」という失敗談も報告されています。
時間制が向いている人
- パートナーの「怪しい曜日・時間帯」がほぼ特定できている
- 短時間のスポット調査で白黒つけたい
- 事前情報が多く、調査が長引くリスクが低い
業界大手の原一探偵事務所は1日あたり158,400円〜(目安総額250,000円)、HAL探偵社は1名1時間7,000円〜(目安総額336,000円)と、同じ時間制でも事務所によって料金設計が大きく異なります。出社・退社後のピンポイントな行動監視や、あらかじめホテル等の利用日時がわかっている場合に最もコストメリットが発揮されます。
パック制(定額型)の仕組みと相場
パック制とは
「調査員2名×20時間で○○万円」のように、一定の調査時間をまとめて購入する方式です。時間単価が割引される代わりに、まとまった金額を事前に支払います。
費用相場
パック制の一般的な相場は以下のとおりです。
- 10時間パック:15万〜25万円(時間単価換算で1名あたり7,500〜12,500円)
- 20時間パック:25万〜45万円(時間単価換算で1名あたり6,250〜11,250円)
- 30時間パック:35万〜60万円(時間単価換算で1名あたり5,800〜10,000円)
時間制と比較すると、1時間あたりの単価は10〜30%程度割引されるのが一般的です。
メリット
費用の上限が最初から確定する点が最大のメリットです。「最大いくらかかるか」が契約時に分かるため、予算管理がしやすく、追加費用の不安がありません。
また、パック時間内であれば調査日を柔軟に分けられるため、「金曜夜を3回調査する」「平日と休日を組み合わせる」といった計画的な調査が可能です。
デメリット
短時間で証拠が取れた場合、余った時間分が無駄になることがあります。20時間パックを購入して5時間で証拠が取れた場合、残り15時間分の料金が戻らない(または一部しか返金されない)ケースがあります。
事務所によっては「余った時間は別の調査に充当可能」「差額を返金」という対応をしている場合もあるため、契約前に必ず確認してください。
パック制が向いている人
- 予算の上限を事前に決めておきたい
- 浮気の確信はあるが、具体的な日時までは特定できていない
- 複数日にわたる調査が必要になりそう
パック制では車両費・機材費・報告書作成費などの経費がすべて含まれた一括見積りが提示されるのが一般的です。予定より短時間で終了しても定額が適用される一方、追加料金が一切発生しない安心感があります。対象者の行動パターンが不規則で、複数日にまたがる予備調査や長時間の追尾が見込まれる場合に適しています。
成功報酬制の仕組みと相場
成功報酬制とは
調査が「成功」した場合にのみ報酬が発生する方式です。一般的には**着手金(調査開始時)+成功報酬(証拠取得時)**の2段階で構成されます。「着手金ゼロ・完全成功報酬」を謳う事務所もあります。
費用相場
- 着手金:0円〜20万円
- 成功報酬:30万〜60万円
- 合計:30万〜80万円
成功報酬制は、成功した場合の総額が時間制やパック制よりも高くなる傾向があります。探偵事務所側が「失敗リスク」を負う分、その分が報酬に上乗せされるためです。
最大の注意点:「成功」の定義
成功報酬制で最もトラブルになりやすいのが、「成功」の定義が曖昧なケースです。
「浮気の証拠を取得すること」が成功なのか、「対象者の行動を報告すること」が成功なのかで、請求されるかどうかが変わります。極端な例では、「対象者を尾行して、浮気相手との接触はなかったが行動を報告した」だけで「調査は成功した」として成功報酬を請求された事例があります。
契約前に「何をもって成功とするか」を書面で明確に定義することが不可欠です。
メリット
証拠が取れなければ費用が抑えられる(着手金のみ、またはゼロ)点が魅力です。「浮気しているかどうか確信が持てない」段階で、リスクを最小限にして調査を始めたい場合に適しています。
デメリット
前述のとおり、「成功」の定義に関するトラブルが多発しています。また、成功した場合の総額は他の料金体系より高くなりがちです。
さらに、「着手金ゼロ」を強調する事務所の中には、成功報酬が相場より大幅に高い、あるいは「経費は別途」として高額な経費を請求するケースもあるため注意が必要です。
「成功」の定義トラブルの具体例として、着手金50万円+成功報酬50万円の契約で、カフェで手を繋いだ写真を「証拠取得=成功」と主張され50万円を請求されたケースがあります。弁護士に確認したところ「この写真では裁判で不貞行為の立証には使えない」と判断されましたが、契約上は「成功」に該当するとして請求が覆りませんでした。「裁判で使える不貞行為の証拠取得」を成功の定義として契約書に明記することが自衛の鉄則です。
成功報酬制が向いている人
- 浮気しているかどうか確信がなく、シロの可能性も高い
- 証拠が取れなかった場合に費用を最小限にしたい
- 「成功」の定義を事前に明確化できる
シロ(白)の結果が出た場合の費用負担や、再調査すべきかの判断基準については浮気調査がシロだった場合|費用と再調査の判断基準で詳しく解説しています。
成功報酬制を選ぶ際に最も重要なのは、「何をもって成功とするか」の定義を契約書に具体的に明記することです。「証拠が取れなければ調査費用0円」という謳い文句に安心して契約したものの、裁判で使えない不十分な写真報告で「成功」と判定されトラブルになるケースが後を絶ちません。「不貞行為を裏付ける、ホテル等への入退室写真を含む調査報告書の提出」など、法的に意味のある基準で定義しておくことが自衛の鉄則です。
3つの料金体系を比較
ここまでの内容を一覧で整理します。
| 項目 | 時間制 | パック制 | 成功報酬制 |
|---|---|---|---|
| 費用の目安 | 1.5万〜2.4万円/時間 | 15万〜60万円 | 30万〜80万円 |
| 費用の予測性 | △(変動リスクあり) | ◎(上限確定) | ○(成功時は高額) |
| 短期で終わった場合 | ◎(最安) | △(余剰が無駄) | ○(着手金のみ) |
| 長期化した場合 | ×(青天井リスク) | ◎(追加なし) | ○(成功まで追加なし) |
| トラブルリスク | 経費の追加請求 | 未使用分の返金 | 「成功」の定義争い |
| おすすめの人 | 事前情報が豊富な人 | 予算重視の人 | 確信度が低い人 |
実際の支払額の目安として、調査期間1日なら10万〜15万円、3日間で30万〜40万円、1週間で40万〜60万円、2週間〜1ヶ月で60万〜100万円程度が相場です。調査の難易度や地域によっても変動するため、あくまで目安として参考にしてください。調査期間がどのくらいかかるかの判断基準は浮気調査の期間と日数の目安で解説しています。
地域による料金格差
見落としがちですが、調査費用は地域によっても異なります。大都市圏(東京・大阪など)では人件費・交通費・駐車場代が高いため、調査員2名あたりの時間単価は15,000〜20,000円が主流です。一方、地方都市や郊外では6,000〜10,000円程度と、10〜20%ほど安くなる傾向があります。パートナーの行動範囲が地方にある場合は、その地域に拠点を持つ探偵社に依頼することで費用を抑えられる可能性があります。
見積もり時に必ず確認すべき5つのポイント
どの料金体系を選ぶにしても、見積もり段階で以下の5点を確認してください。これを怠ると、費用で損をした体験談と同じ結果になりかねません。
① 経費は料金に含まれているか
交通費、車両費、高速道路代、駐車場代、宿泊費、機材費——これらが「料金に含まれる」のか「別途請求」なのかで、最終的な支払額は大きく変わります。特に時間制では、経費が見積もりに含まれていないケースが多いため、必ず確認してください。
② 追加費用の発生条件と上限
「対象者が遠方に移動した場合」「深夜の調査が必要になった場合」など、追加費用が発生する条件を具体的に確認します。可能であれば、追加費用の上限額を契約書に明記してもらいましょう。
③ キャンセル・中途解約の条件
調査開始前のキャンセル料、調査途中での解約時の返金条件を確認します。探偵業法では、契約書にキャンセル規定を記載することが義務付けられています。
キャンセル条件の確認不足による実害も出ています。60万円の契約を翌日にキャンセルしたところ、違約金70%(42万円)を差し引かれ18万円しか返金されなかったケースがあります。調査開始前にもかかわらず高額な違約金を請求された形です。契約前に**「調査開始前のキャンセル料率」と「中途解約時の返金計算方法」を書面で確認**し、不当に高い違約金条項がないかチェックしてください。
④ 調査員の人数と体制
「調査員2名体制」が料金に含まれているのか、2名目は追加料金なのかを確認します。1名体制では証拠の質が低くなるリスクがある一方、不必要に3名以上の体制を組んで料金を上乗せするケースもあります。
⑤ 報告書のサンプル
料金体系の確認と合わせて、過去の調査報告書のサンプルを必ず見せてもらいましょう。報告書の品質が低く裁判で使えなかったという失敗を防ぐためです。
料金体系を理解した上で、実際の各社の費用感を比較したい方はおすすめ探偵社6選|費用・証拠能力を徹底比較をご覧ください。各社の料金体系(時間制・パック制・成功報酬制)の採用状況や、返金保証の有無も一覧で確認できます。